鹿児島県指宿市 司法書士法人 なのはな法務事務所


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登記識別情報通知(旧式)のシールがはがれにくいときの対応について


  不動産の登記名義人となったときに法務局から交付を受ける登記識別情報通知書は、ごく最近まで、登記識別情報を示す12桁のアルファベットの直上に 黒色の目隠しシールが貼ってありました。このため、不動産取引の際、この目隠しシールを剥がして登記識別情報の内容を確認する必要があるのですが、 旧式のシールの場合、シールの劣化等の影響により、うまく剥がれないときがあります。決済の日時が迫っている場合には、 このような場合に大変にあせってしまうことになるのですが、当事務所の経験談として、このようなときの対応方法を以下にまとめておきます。
  基本は、あせらず! 絶対に無理に剥がそうとしない!です。

1.剥がし始めが一番肝心です。
  劣化してこびりついたシールといえども、基本的には、四隅から丁寧に剥がしていけば、けっこううまく剥がれていきます。
剥がし「始め」が一番肝心で、きれいに、下(台紙)にこびりつかないように、力を均等にかけて剥がしていきましょう。そして、うまくい きそうであれば、そのまま剥がしてください。
  反対に、こびりついてしまってダメそうならば潔く中止してください。
  大まかに剥がしてから、うまく剥がれていないところを後でどうにかすればよいという考えかたで剥がしていくと その残した部分が最後までうまく剥がれなかったりします。

2.アイロン作戦
  うまく剥がれない場合には、法務局推奨のアイロン作戦を実施します。当事務所では、厚めのハンカチを用い、アイロンの「中温」ぐらいであてていきます。 アイロンを少しあててみては、シールを引っ張ってみたりして、具合を確かめていきましょう。これで、だいたいうまくいくと思います。

3.それでも、ダメなら
  万が一、上記のアイロン作戦を実施しても、うまく剥がせない場合には、最終手段として、登記識別情報通知を持参して、管轄法務局に相談するのも手です。相談といっても、事実上、剥がすのを手伝ってくれたりします。
  無理に剥がそうとしてボロボロになる前の段階であれば、法務局の職員の中には、剥がすのが上手な方もいらっしゃいまして きれいに剥がしてくれたりします。

4.万が一、剥がすのに失敗して、読み取り不能になったときには。
  ごくまれに、無理にシールを引っ張ったり、台紙にこびりついたシールの破片を取り除こうとこすったりした結果、 登記識別情報の読み取りが不能となる場合があります。
  この場合の救済方法として、登記識別情報の再作成という制度があります。
  法務省の下記ホームページを参照してください。
  「登記識別情報を記載した書面(登記識別情報通知書)の登記識別情報を記載した部分が見えないようにするシール(目隠しシール)のはがれ方が不完全であることにより登記識別情報が読み取れない状態になった場合の登記識別情報の再作成について」
  当事務所においては、万が一の場合には、この制度にしたがって、お客様から「登記識別情報通知の再作成の申出をすること。再作成された登記識別情報の通知を受領すること」に関する特別の委任状(印鑑証明は不要)を作成してもらい、管轄法務局において再作成を行ってから登記手続きを進めています。
なお、この場合、再作成された登記識別情報通知は、新式のもの(折込式)になり、作成の日付も再作成をした日付が記載されます。

5.雑感
  最近になって新しくなった登記識別情報通知書(折込式)は、登記識別情報の直上にはシール(のり)が貼ってありませんから、とりあえず、上記に述べたような シールが剥がせないというような不都合はなくなりました。
しかし、不動産登記は、100年後も永続するような制度として設計しなければならないものの、わずか数年でこのような致命的 な問題が生じでしまうのは、いかがなものかと、首をかしげたくなりますね。